オープンソース · macOS

macOS が渡してくれない音まで、画面と一緒に録る。

kilde は、QuickTime Player の画面収録では録れないシステム音声を含めて 画面を録画する macOS 向けの OSS ツールです。CLI のワンコマンドと、メニューバーアプリ。 仮想オーディオドライバは要りません。

macOS 14 以降 · Apple Silicon (arm64) · MIT ライセンス

zsh — kilde
# まずは権限と環境のチェックから
$ kilde doctor

# 画面 + システム音声。Ctrl+C で停止してもファイルは必ず安全に閉じられる
$ kilde rec demo.mov

# 会議: ウィンドウを選んで、相手の音声と自分のマイクをミックス
$ kilde rec --preset meeting meeting.mov

# 音声のみ。追加ドライバ不要
$ kilde rec --no-video memo.m4a

記録として残すべきものを、すべて

ScreenCaptureKit のネイティブ機能を使うため、Mac から出ている音がそのまま映像と同じ ファイルに入ります。セットアップも仮想オーディオデバイスも不要です。

画面 + システム音声

ScreenCaptureKit ネイティブのキャプチャで、画面と聞こえている音をワンコマンドで同時収録。ゼロセットアップ。

マイク・任意の入力デバイス

マイクや BlackHole などのデバイスを同時録音。既定は 1 トラックにミックス、--audio-tracks separate でトラック分離。

ウィンドウ単位の収録

ウィンドウを 1 つだけ収録し、音声もそのアプリにスコープ。通知音や他アプリの音は録画に入りません。

録音 (音声のみ) モード

--no-video で音声だけを M4A に記録。ドライバの追加インストールは不要です。

Ctrl+C でも壊れない

Ctrl+C・SIGTERM・SIGHUP のいずれで停止しても、出力ファイルは必ずファイナライズされます。あとで開けないソースは、ソースとは呼べないからです。

グローバルホットキー

cmd+shift+r などのショートカットで、他アプリの操作中でも開始 / 停止。コマンドライン・設定ファイル・メニューバーアプリのいずれからでも設定できます。

会議プリセット

--preset meeting で Zoom・Google Meet・Teams のウィンドウを選び、相手の音声と自分のマイクを 1 トラックにミックスします。

範囲指定・HDR・コーデック

--region で画面の一部だけを録画。H.264 / HEVC / ProRes とフレームレートを選べ、macOS 15 以降では HDR 収録にも対応します。

メニューバーアプリ

同じエンジンを GUI から。経過時間、ソースごとのレベルメーター、完了通知、最近の録画一覧、ログイン時起動に対応します。

インストール

いちばん手軽なのは Homebrew です。リリースバイナリは Apple Silicon ビルドで、現時点で Intel Mac は非対応です。

Homebrew

$ brew tap takezou621/kilde
# 初回 1 回のみ (新しい Homebrew で必要)
$ brew trust --formula takezou621/kilde/kilde
$ brew install kilde

# tap から直接インストールする場合
$ brew install takezou621/kilde/kilde

リリースバイナリ

# Releases から kilde-<バージョン>-macos.zip を取得
$ unzip kilde-*-macos.zip
$ sudo cp release/kilde /usr/local/bin/

# そのあと権限チェック
$ kilde doctor

動作要件

kilde は macOS ネイティブのキャプチャ API を土台にしているため、動作環境に条件があります。

  • macOS 14 以降。動作検証は macOS 26 / Apple Silicon で行っています。
  • Apple Silicon (arm64)。リリースバイナリは arm64 ビルドで、現時点で Intel Mac は非対応です。
  • 画面収録の権限、マイクを録る場合はマイクの権限。kilde doctor が環境を確認し、不足している権限を促します。
  • HDR 収録には、さらに macOS 15 以降・HDR ディスプレイ・HEVC が必要です。いずれかが欠ける場合は理由を示したうえで SDR で録画します。
  • ソースからのビルドには macOS 26 SDK を含むツールチェーンが必要です。録画エンジンは private リポジトリのため、現時点で公開ソースからのビルドはできません。

名前の由来

kilde はデンマーク語・ノルウェー語で「源」を意味します。もとは水が 湧き出る「泉」を指す言葉で、転じて情報の出どころ — 取材や研究でいう「ソース」— の 意味でも使われます。

いま知識の多くは、オンライン会議と画面の中で生まれています。AI が録画を文字起こし・ 要約・検索できる時代には、録画・音声・画面という記録そのものが、会議が終われば捨てる 副産物ではなく、それ自体が価値ある情報源になります。

kilde という名前は、このツールが残すべきもの =「源」から付けました。同じ考えから、 kilde は Ctrl+C などでの停止時にも、必ずファイナライズ済みの再生可能なファイルを残します。

あとで開けないソースは、ソースとは呼べない。